座談会(その7)広報はこうしてみたら!?

ブログ座談会「「横浜建築家列伝」をふりかえって」

■日本郵船歴史博物館の広報

吉崎:広報についてはアドバイスをお二方からお伺いしたいと思います。
 まず、郵船の海老名さんのところはどんな広報をされていますか。

海老名:うちも展示期間が長いものが多いので、
 最初はいろんなところにプレスを打って、取り上げていただいて、
 あとまた中だるみしてきたころには有料広告を打ったり、駅貼りのポスターを貼ってもらったり。

吉崎:駅貼り。

海老名:はい。駅貼りは期間が1週間。
 あと私はイベントを散らしておくようにしていますね。
 そうするとイベントが無料掲載で何かに載ったり。
 メディアとはいかないまでも、誰かが興味を持ってくれて取り上げてくれたら、
 同時に展示も取り上げられるから。

吉崎:それはいい手ですね。

神谷:有料広告はどの辺りに出されていますか。

海老名:新聞が多いんじゃないですかね。
 あと、割と小さいイベントは「ぱど」にリリースしています。地元誌の反響が一番大きい。

青木:ああ、「ぱど」。なるほど。

海老名:大きな新聞はもちろん大きいんが、お金もかかりますから。
 地元誌さんなんかは関係ができるとすぐ載せてもらえたりして。
 あとやっぱり地元の人が見るのですぐに来てくれる。

青木:そうですね。「ぱど」は結構配布されますからね。

海老名:はい。

鈴木:あと、タウン誌とかですかね。タウン誌だと新聞の綴じ込みだから。

海老名:あと友の会、メルマガ。

青木:ああ、郵船は友の会がありましたね。

海老名:あとブログでは、結構著名なブロガーっているじゃないですか。
 そういう人のページで取り上げてもらうとか。
 展示ではないですけど一回経営史か何かで有名な先生のブログに
 地味に郵船の社史が取り上げられたんです。
 すると一気に1万円近くするその社史(古書)が急遽数冊売れたことがあったので、
 やっぱりブロガーさんの力も見過ごせないですよね。

■記者のつもりで記事を書いてみる!

鈴木:僕は、ラジオの放送記者をやっていたのですが、関係のある新聞社へ出向させられたんです。
 行かされたところで催し物の一覧を作る。
 明日これがありますよと聞いたものをまとめて、
 各社会部だの政治局だのへ渡すという仕事をやっていて。
 主に新聞に載った「何日から何日までは何」というのをみんな切り抜いて、日ごとの棚に入れて、
 「明日は何があるかな」というとそれを引っ張ってきてみて明日の催し物を調べる。
 だからなるべく日にちが分かっていたら、早めに教えておくといい。
何もネタがないときってありますから。

神谷:確かに。

鈴木:それと、各新聞社が来るときに自分で記事を作っちゃったんです(笑)。
 つまり書いてほしいことをまとめて、あまり手を入れずに記事になるようにして送っちゃった。
 これは結構効きましたね。記者のほうもそれがあると楽なんです。あんちょこみたいなね(笑)。
 彼らも十分に興味を持って来るわけじゃありませんし、間違ったことも書きたくないから。
 もっと取材しないとよく分からないものはあまり書きたくないわけですよね。
 これだけ書けばもう記事になりそうなものを送ってやると非常に喜ぶ。
 それで自分で来館者のインタビューをとってみたりすれば、一つの記事にできちゃうわけですからね。

青木:なるほど。

鈴木:さっき言った「ぱど」とか地元誌には必ず送っておいたほうがいいですよ。
 イベントを散らしておいとくというのも、長い場合は非常に有効だと思いますよね。
 記者たちはネタを求めているんですよね。
 面白そうなものだと食いついてくるわけですから。エサをばら撒くというのは……。

神谷:面白い。

青木:記者の立場で見出しを含めて記事を想定して書くっていうの、いいトレーニングになるかもしれない。

鈴木:これだけは書いてほしいということはまとめて、一つの記事にして出しておけば、
 それは彼らは助かりますよ。

青木:僕らのプレスリリースは、いろんな情報を入れなきゃいけないというのがあるから。

鈴木:だいたい長くなっちゃうな、プレスリリースは。A4の紙に3枚も4枚も送ってくるわけですよね。
 そうすると記者のほうはそれを全部読んで、ピックアップして記事を作らなきゃいけないわけです。
 そうじゃなくて、まとまって一つ、彼らが載せられるくらい。
 この催しはだいたい載せるとしたら新聞でこれぐらいとか、予想がつくでしょう。
 だから、そのくらいで見出しみたいにしてまとめて作っておいてやると。

吉崎:それは参考になりますね。

鈴木:まあ、それはある意味で親切なんですよね。
 全部網羅的にそんなものを細かく書いちゃうと、かえって何を書いていいか分かんなくなっちゃうし、
 記者のほうはほんとに困っちゃうわけです。

青木:課題はどうやって記者に関心を持ってもらうということでしょうか。
 記者もいろんな方がいるので。今回は朝日がとても大きく取り上げてくれたんですけど、
 その記者はもともと現代音楽を研究していた芸術畑の人だったんで、
 すごく展覧会を楽しんでくれたんです。
 なかには来ていきなり「目玉は何ですか?」って。
 見る前に聞かないでよ、という方もいますけど。
 確かに鈴木さんが今言ったような「今回の見どころはこれです」
 というのがコミコミであるといいのかもしれないですね。

鈴木:そうですね。あと、横浜の支局だけに送ってます?

青木:マスコミはそうですね。

鈴木:東京のほうにも送っておいたほうがいいですよ。新聞社とか。

青木:雑誌関係は東京も含めてますけど、新聞社は支局だけかな。

鈴木:支局だけにしないほうがいいです。

青木:横浜のネタでも?。

鈴木:いや、それはもうダメ元のつもりで。
 まあ1通80円でいくわけだから東京の本社もやっぱりマークしておいたほうがいいですよ。
 横浜の催しって結構東京からも来ますしね。
 東京で記事になるかならないかは分からないけれども、
 本社は本社で明日何の催しがあるかというのは、ちゃんと見てますから。
 出せるものだったら出しといたほうがよろしいですよ。

(次回が最後です)

# by tohatsu | 2009-11-22 13:08 | その他 | Trackback | Comments(0) 

横浜グラフの謎

現在WEB展覧会で公開している「横浜グラフ」。
このアルバム(あるいはグラフ誌)については
実はわからないことがいろいろあります。
そのひとつは、読者はこの資料をどのような形態で入手したのか?
という問題です。

この資料、タテ25センチ、ヨコ37センチほどの
1枚の台紙にキャビネ版ほどの写真と解説ラベルが
おおよそ2枚ずつ、
なんとなくアバウトに貼られていました。
日によって余白の大きさは違いますし、
使用していない空の台紙も、当館のアルバムには綴じられていました。

そんなわけで、台紙はまとめてあらかじめ読者のもとに送られ、
写真プリントと解説ラベルが会員(読者)のもとに送付されるたびに、
読者みずからがそれを台紙に貼っていた、と考えていたのです。

しかし、他機関所蔵の「横浜グラフ」をみると、
貼ってある写真とキャプションのレイアウトが当館のものと
ほぼ同じなのです。

↓のように少々複雑なレイアウトでも、配置は同じ。


ということは、このけっこう大きい台紙に
あらかじめ発行元が写真とキャプションを貼って
毎回送付したのでしょうか。
それって郵送料もかかるし、郵便受けにも入らないし、
お互いにたいへんなのでは……
折れ目もついていないので折って配達していた、ということもなさそうです。

少しだけ謎めいたこの『横浜グラフ』。
追加調査の結果については、またおってブログでご報告します。

また、明日はazulさんのリレー展示解説「拡張する横浜」。
こちらもどうぞお楽しみに。

(吉)

# by tohatsu | 2009-11-21 17:00 | 調査余話 | Trackback | Comments(0) 

展示解説のお知らせ

はい、こんにちは。
今年も健康診断で再検査を喰らってしまい、
とりあえずその日だけはお酒をやめた azul です。

(吉)さんに暴露されてしまいましたが、
会議の最中に、健康管理がアツい話題になるとは、
私たちも歳を重ねてしまったものです。
私なんて、この職場に来たときはまだ20代だったのですよ・・・


・・・過ぎ去った時間を嘆くことは止めにしませう。

さて、常設展示室でスタートしたリレー展示解説ですが、
11/22(日)はいよいよ私の出番です。
WEB展覧会で公開をはじめた「横浜グラフ」の話を中心に、
震災から復興をなしとげた横浜のまちづくりについて、
お話しようと思います。

14時スタート。
ぜひ遊びに来てください。

天気予報を見ますと・・・うぬぬ・・・



(azul)

# by tohatsu | 2009-11-20 15:06 | お知らせ | Trackback | Comments(0) 

座談会(その6)アンケートの分析から

ブログ座談会「「横浜建築家列伝」をふりかえって」

神谷:今回は広報媒体として、ポスター、チラシを見て来館した
 というのが非常に多かったんです。
 会期が長いと最初に情報をリリースした直後に
 新聞雑誌各誌に一回記事が載ってからというのは、
 次に記事になるのが厳しいですね。

鈴木:出してくれないもんね。

神谷:それで今回は途中で2回有料広告を打って、
 それでまたガーっと入館者数が上がったんですが。
 後半、そこまでメディアが食いついてくるということがなかなかなくて。
 テレビ、ラジオ、新聞、雑誌を見ていらしたというお客様が少なかったかなという感じです。
 今、ネット広報というのがすごく増えていまして、
 無料で随時情報を載せてくださる媒体があるんです。
 そこからホームページに飛んできました、
 というお客様も徐々に増えてきています。
 そういう方は年齢でクロス集計をかけるとやっぱり若い層ですね。
 その結果個人の方のブログに
 「横浜に行ったときにこういう展示を見てきたよ」
 というのを載せてくださるんですよね。そういうのを拝見してると涙が……

青木:行った時はあまり人がいなかったとか、そういうのがあったよね。

神谷:そういうのを見ちゃいけないんです(笑)。この方のなんか涙が出るほどうれしくないですか。

青木:うん。「都市発展記念館はいつもわたしを満足させてくれる」だって。こう言われると元気が出るよね。

神谷:なんかもう、心温まる(笑)

海老名:うちもこの人に書いてもらったことあるかも(笑)

神谷:ネット媒体の広報も功を奏しているところが少しずつ出てるのかなと。ちょっとうれしいですよね。

海老名:すごい、素晴らしい。

神谷:広報担当としてはただ「展示をやってます」だけではなくて、本当に小さいイベントごとに、
 子どもウォークだったりとか展示解説だったりとか、そういうのもまめに出しています。
 それを見た人がまたリンクを貼ってくださったりするので、
 どんどん広がっていくという流れがあります。


青木:アンケートの結果を見ると4分の1近くが県外にお住まいなんですね。
 横浜市外で県内の人よりも、県外って答えた方のほうが多くて。
 さらに県外の半数以上が東京。東京方面にもPRが効いてたと思います。
 今回後援をお願いしたのは日本建築家協会とか神奈川県の建築士会とか。
 あとは首都圏の建築学科を持っている大学にも案内を送りました。
 あと美術館です。
 今回はテーマ的に美術館でこのポスターを見れば来てくれるかなと思いプラスしました。

吉崎:「横浜ノスタルジア」と比べてみると市外の方の比率の高さは明らかですね。
 「ノスタルジア」は市内の人が。

青木:8割でしょう。

吉崎:8割ですね。今回は市内が6割。県外が「ノスタルジア」は5パーセントなのに、今回は23パーセント。

青木:でも各町内会でも掲示板に貼ってくださいというお願いもやったんですよ。

神谷:アンケートで、町内の回覧板や掲示を見たとか、ありましたね。

鈴木:はあ、なるほど。毎回出してるんですか。

青木:いいえ、去年の「みんなでエキスポ」展のときからですよね。中区だけですけど。

鈴木:ああ、中区ですね。

青木:区連会という自治会町内会の会長さんたちが集まる会が月に1回区役所であって、
 そこに出向いてこういうのをやりますのでよろしくお願いします、と。
 それで各掲示板でポスター貼ってくださいというお願いをするんです。
 ただ、僕も中区民ですけどうちのマンションは貼ってなかった(笑)。
 ちょっと対応はまちまちみたいです。

鈴木:なるほど。

青木:僕らはチラシを裏表で貼ってくださいねとリクエストしたんです。
 去年の「エキスポ」展のときはうちのマンションも
 ずっとA3のポスターを貼ってくれてたんですけど、
 それ以降全然ダメですね。

鈴木:A3って貼りにくいんだよね。
 うちはマンションなんですけど、掲示板にA3だとボコーッと場所を取っちゃうんだよね。

青木:ああ、他のが入らなくなる。

鈴木:結構いろんなものがあるから。A4くらいだとちょうどいいんですけどね。



# by tohatsu | 2009-11-18 08:46 | その他 | Trackback | Comments(0) 

信州へ・・・

はい、こんにちは。azul です。

先週の金曜土曜と信州へ行ってきました。
長野県にある辰野美術館が、博学連携交流推進事業として、
信州豊南短期大学で実施している公開講座「ミュージアム・カレッジ」に、
講師として招かれていたのです。
依頼されたテーマは「横浜の近代遺跡・近代化遺産」。



なぜ、長野県で横浜の話が? と思われるかもしれませんが、
長野県上伊那郡辰野町は、横浜の実業家小野光景(みつかげ)の出身地
今年の6月には、横浜開港資料館の西川武臣さんも招かれて、
横浜の貿易商たちのお話をなさったとか。
開港150周年の波が大きく広がっていることを感じました。

講座は学生だけでなく社会人の方も受講されていましたが、
そのなかのお一人がご自身のブログで、
さっそく当日の様子を紹介してくださっていました。
終わったあとの質疑では、なかなか鋭い質問が飛んできたりして、
受講者の皆さんの横浜への関心の高さに驚きました。

講座のあとは、辰野美術館の学芸員赤羽義洋さんに、
美術館を案内していただいたのですが、
そうこうしているうちに外は真っ暗。
横浜みたいに夜も外が明るいなんてことはなく、
一気に寒さが押し寄せてきました。

残念ながら、紅葉を堪能する時間はありませんでしたが、
私は一路松本へ。
松本市内のある建物をどうしても見たかったのですが、
その話はまた後日。


(azul)

# by tohatsu | 2009-11-16 10:38 | お出かけ | Trackback | Comments(0) 

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