フランス"瓦"紀行 その2 ジェラール財団にて
「フランス"瓦"紀行 その1」は こちらでというわけで、ランスで朝を迎えた私とムッシュウ・カトーですが、
なんとジェラール財団の会長御自らが、
私たちが宿泊しているホテルまで迎えに来てくださるというので、
約束の時間までのあいだ、朝のランスをちょっと散策。
行き先はもちろん大聖堂です。
中世の教会建築といえばこの人、ムッシュウ・カトーから、
大学では絶対に教わらない大聖堂の見どころを、
贅沢にもマンツーマンで教わりながら見学。
←カメラを構えるムッシュウ
朝の大聖堂は
観光客もいなくてとても静か
正面上部の薔薇窓を
内部からパチリ
ランスの街は、第一次世界大戦でドイツ軍の爆撃を受けていますので、
大聖堂も大戦後にかなり修復の手が加わっています。
有名なシャガールのステンドグラスは、そのひとつですね。
ジェラールの蔵書も空襲で大きな被害を被ったといわれており、
大戦のさなかの1915年3月、ジェラールは亡くなっています。
さて、朝の散歩を終え、いよいよ約束の時間です。
事前にフランス語で自己紹介のセリフを必死で暗記したのですが、
BMWに乗って颯爽と登場したワルボム会長を前に、
結局「はじめまして」しか言えず・・・
到着したのは、ランス農業会館(Maison des Agriculteurs)。
ジェラール財団の運営する農業サークルが入っている建物です。
さっそくジェラールの蔵書が保管されている図書室に案内されたのですが、
なんと図書室にはジェラールの胸像が!
晩年のお顔です
そうです、ジェラールはこの街では、
農業の発展に貢献した人物として顕彰されているのです。
ジェラールの死後、彼の遺産をもとに現在の農業サークルが設立されるのですが、
おさめられた蔵書も農業技術関係のものが中心で、
不思議なことにフランス瓦の香りはあまり漂ってこないのです。
「君はなぜ瓦に関心をもつようになったんだい?」
ワルボム会長がまっさきに尋ねてきた言葉です。
私はジェラールのフランス瓦が日本で初めての西洋瓦であり、
横浜の洋風建築を特徴づける大きな要素であること、
そして、今も多くの工事現場から破片が出土していること、
などなど熱く語ったことを覚えています。
左から三人目がワルボム会長
左端は不肖azul です
photo by ムッシュウ
図書室でジェラールの蔵書の一部を見せていただいたあと、
再びワルボム会長のBMWに乗り込み、郊外の墓所へ。
念願の墓参りのときが近づいてきました。
・・・つづく・・・
(azul)
by tohatsu | 2010-02-20 10:42 | お出かけ