雑司ヶ谷のジェラール!

はい、こんにちは。

以前に本ブログで紹介した江東区の模倣ジェラール瓦に続いて、
今度は豊島区から新情報が届きました!
考古学の情報ネットワークには驚かされっぱなしの azul です。

東京都埋蔵文化財センターの大八木謙司さんからの情報によると、
豊島区の雑司ヶ谷遺跡で、模倣ジェラール瓦とおぼしき、
妙ちくりんな遺物が出土しているとのこと。
画像を送っていただいたところ、
なんと今までに見たことのない模倣ジェラール瓦ではないですか!

居ても立ってもいられなくなった私と坂上師範代は、
調査を担当された「としま遺跡調査会」が報告書作成で大忙しだというのに、
なんとかお願いして、遺物を見せていただくことにしました。

近年まれにみる大発見の知らせに、
まだ何かが起こるに違いないとの予感を得た私と師範代は、
考古学の立場からジェラール瓦研究に先鞭をつけられた、
千葉大学の岡本東三先生にもご同行をお願いし、
土器をムネムネ、いや胸をドキドキさせながら雑司ヶ谷に向かったのでした。

ついでにハズカシながら、東京メトロ副都心線なるものにも初めて乗りました・・・

さて、雑司ヶ谷遺跡で出土した模倣ジェラール瓦ですが、
・・・想像どおりの珍品でした。
これまで模倣ジェラール瓦は、本家のⅠ型に対応するものしか知られていませんでしたが、
雑司ヶ谷遺跡から出土した瓦は、明らかにⅡ型に対応するもの。
しかもⅠ型の制作技法も混在しており、職人の苦闘の跡がうかがえます。

これまで私は、模倣ジェラール瓦がⅠ型タイプしか見つかっていないのは、
模倣瓦に対抗するために本家ジェラールが制作を開始したⅡ型が、
在来の製法では真似できないほど精緻なものだったからではないか。
そう考えていましたが、どうやらその仮説は崩れ去りました。
これだから現場は面白い。

しかし、新発見はそれだけではありませんでした。
私たちが睨んだとおり、模倣以外にも本家ジェラール瓦のさまざまな部位、
なかでも、これまで個人コレクションにカケラでしか含まれていなかった、
上部に挿し込み口のついた謎の部材があったりと、
横浜以上に充実した出土状況にすっかり見入ってしまいました。

e0164082_192708.jpg











遺物を撮影する岡本先生
優しく見つめる師範代・・・


やはり東京は近世以降をきちんと発掘調査の対象にしているから、
こういう発見が続くんだと思います。
なんだか御飯を何杯もお代わりしたような気分になって、
その日は気持ちよく家路に着きました。

としま遺跡調査会の両角まりさん、小川祐司さん、
お忙しいなか本当にありがとうございました。

雑司ヶ谷遺跡は、間違いなくジェラール瓦研究史に名を残す遺跡になります。
報告書が刊行されたら、是非またゆっくりお話をうかがわせてください!

(azul)
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by tohatsu | 2010-11-20 19:32 | お出かけ | Trackback | Comments(0)  

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