<   2009年 02月 ( 14 )   > この月の画像一覧

 

雪男あらわる

はい、こんにちは。
今日は雪が降って、本当に寒い一日でしたね!

・・・そうです、ご想像のとおりです。
今日は資料返却のため早朝から出張だったのです。

この天気じゃあ、今日もアイツがアップするだろうという、
職場内の無言の声を背中に受けて、
今日も azul が更新させていただきます。

朝早くから車に資料を積んで、向かった先は埼玉の深谷市。
江戸時代から瓦の製造業を営んでいた方の御宅に行ってきました。
ここの御宅で、なんと前回ご紹介した、
ジェラール瓦の模倣品を作るための木型が発見されたのです。

この木型は、2年前、埼玉伝統工芸会館の展示で初めて紹介され、
展示に関わられた瓦師の藤井禎夫さんから連絡をいただき、
私たちも見に行ったのですが、いや、こんなものが残っていたとは驚きでした。

そもそも本家のジェラール瓦でさえも、
どんな型を使っていたのか(木なのか金属なのか)はわかっておらず、
模倣品を作るための型が埼玉で発見されたというのは、
今後のジェラール研究の進展につながるビッグニュースです。

当館では、昨年からこの木型をお借りして実測を続けてきましたが、
今年に入ってようやく実測作業が終わり、今日は御礼とご報告を兼ねて、
長らくお借りしていた木型を返却しに、深谷まで伺ったのでした。

さてさて、その木型とはいったいどんなものなのか・・・

詳しくは、当館の紀要5号にて!
年度末に出る予定です・・・出るはず・・・出るかしら・・・

それにしても、寒かったのなんの。
館に戻った今も足が凍りついている感じです。
明日の資料撮影のための準備をこれからしないといけないのですが、
ちょっとくじけそうな気配が・・・

(azul)
[PR]

by tohatsu | 2009-02-27 19:33 | お出かけ | Trackback | Comments(0)  

模倣なれど侮るなかれ

はい、こんにちは。
今日は富士山がよく見えましたね!

e0164082_18284024.jpg

・・・すみません。先週の話です。
つい年齢詐称ならぬ天候詐称に走ってしまった azul です。
雨続きで気分も晴れないので、今日は青空のもとでの調査のお話を。

先週、私がお邪魔してきたのは、磯子区下町にある「旧柳下邸」。
横浜市指定文化財として一般公開されています。
ちょうど先週から屋根の修理が始まったとのことで、
柳下邸運営委員である建築家の兼弘彰氏からご連絡をいただき、
現場を見学させていただきました。

この屋根瓦、普通の瓦とどこが違うか、おわかりになりますか?
縦に一列にきれいに並ばずに、互い違いに葺かれていますね。

e0164082_18293297.jpg

「おぉ!これが、かの有名なジェラール瓦!
 フランス人のジェラールが山手の工場で作っていたフランス瓦!」

そう思われた方、残念ながら、これはジェラール瓦ではないのです。
一見、ほとんど区別がつきませんが、
これは日本人がジェラール瓦を真似て作った模倣品なのです。
二つを並べて見比べるとわかるのですが、
模倣品は本物よりも少し大きく、そして細部の彫りも甘いです。

この柳下邸を現在のように公開施設として整備する際、
屋根に葺かれていたフランス瓦のうち、本物のジェラール瓦はたった2枚しかなく、
それ以外は、すべてこの模倣品でした。
(見つかったジェラール瓦のうち1枚は、付属の蔵で展示されています。)

ここ数年、私はジェラールと瓦工場のことを調べているのですが、
日本人による模倣品については、ジェラール瓦ほどには調査されておらず、
最近、少しずつ調べはじめたところです。
どこの職人が作っていたのか、どんな種類があったのか。
まだまだわからないことばかりです。

模倣品に歴史的価値があるの?と思う方もいるかもしれませんが、
横浜に誕生したジェラール瓦を起点として、
伝統的な瓦生産の世界に、どのような波が広がっていったのか。
これは、明治時代の日本人がヨーロッパの技術をどう摂取したのか、
という日本の近代史に共通する大きなテーマにつながる話です。
「模倣ジェラール瓦」(私たちはこう呼んでいます)は、模倣品だからといって、
ジェラール瓦に比べて歴史的価値が劣るものではないのです。

その最新の調査成果については、
当館の紀要5号で報告しますので、ぜひご覧ください。
年度末に出る予定です・・・出るはず・・・出るかしら・・・

(azul)
[PR]

by tohatsu | 2009-02-25 18:34 | お出かけ | Trackback | Comments(0)  

100日前講演会

はい、こんにちは。

今日は当財団が主催する講演会
「横浜開港150周年 100日前講演会 横浜開港の謎に迫る
の日でして、私 azul もスタッフとして一日行って参りました。

二人の講師が、建築史家の藤森照信さんと作家の山崎洋子さんとあって、
定員をはるかに上回る応募があったそうで、
外の寒さとは裏腹に、会場の開港記念会館は熱気ムンムンでした。

講師お二人から、それぞれの「開港の謎」をお話いただいたあとは、
再度壇上にお迎えして、質疑応答へ。
熱心かつハイレベルな質問が矢継ぎばやに飛び、
参加者の皆さんの関心の高さに驚きました。

e0164082_17472372.jpg


学生時代に藤森先生の授業を聞いていた私にとっては、
久しぶりに先生のお話を伺う機会でしたが、
(あ、ちゃんと仕事もしましたよ)
横浜居留地の建築が持っていたポテンシャルをあらためて教えられ、
次の展示に向けて元気をいただきました。

藤森先生、山崎先生、
今日はどうもありがとうございました。

(azul)
[PR]

by tohatsu | 2009-02-22 17:50 | その他 | Trackback | Comments(0)  

建築家のワザ

はい、こんにちは。
天気ネタを振られれば反応せずにはいられない azul です。

今日は朝から雨でした。
057.gif

・・・そうです、ご想像のとおりです。
私は資料借用の予定が入っていたのです・・・

所蔵者の思いがこもった大事な資料をお借りする。
そんなときに雨に降られると、
いつも以上に梱包や積み込みに神経を使います。
「また降られてるよ・・・」という職場内の無言の声を感じながら、
クルマに梱包用の資材などを積んでいたのですが、
出発する頃には、無事、雨は上がっていました。

・・・そうです、残念ながら?、今日は天気オチではありません。


今日お借りしてきたのは、「篆刻」の用具。
建築家遠藤於菟のご遺族が大切に保管されていたものです。

建築家としての遠藤於菟は、
「鉄筋コンクリート建築の先覚者」(村松貞次郎『日本近代建築史ノート』)と言われるように、
現在では当たり前になった鉄筋コンクリート構造を、
明治時代から積極的に導入していたことで知られています。
建物すべてを鉄筋コンクリートでつくった日本最初のオフィスビルが、
今、日本大通りに残っている三井物産横浜支店だというのは、有名な話ですね。
文句なしに、遠藤於菟の代表作です。

e0164082_16551325.jpg

次の企画展「横浜建築家列伝」では、そうした建築家としての活動以外にも、
一私人としての建築家の姿も、わずかながら紹介したいと思っています。

晩年の遠藤は、篆刻を趣味としていました。
篆刻仲間が彼の家に集って腕を磨いていたそうです。
ご遺族のところには、今も彼が彫った印章の数々が保管されており、
今日は前もって資料を撮影するために、一式をお借りしに伺ったのでした。

e0164082_1655365.jpg

ハンコですから、逆さまの字を彫らなければならないわけですが、
遠藤於菟は下絵なしにいきなり彫り始めるほどの腕前だったそうです。
なにぶん私自身、篆刻の知識がほとんどないもので、
芸術的なワザにただただ口をぽかんと開けるばかりでした。

さて、展示に向けては、まだまだたくさんの資料を撮影しなければなりません。
はたして、図録の製作にはいつ入れるのでしょうか・・・

(azul)
[PR]

by tohatsu | 2009-02-20 19:50 | お出かけ | Trackback | Comments(0)  

展示余話 鉄道雑学(その3)

 終了から1ヵ月が過ぎた「横浜ステーション物語」展ですが、展示ではほとんど触れなかった事柄を補足しておきます。それは鉄道事故についてです。横浜では戦後、二つの大きな鉄道事故がありました。

 一つ目は、昭和26年に桜木町駅で起きた電車の車両火災事故です。架線を修繕作業中に誤って断線させてしまい、そこに進入してきた電車のパンダグラフと架線がからまって火花が発生、先頭車両が全焼し、約200人の死傷者を出しました。この車両が戦時中に代用資材(木材など)を多用して設計されたものであったため延焼が早かったことや、当時の関東の国電には貫通幌がなく、隣の車両に移動できなかったことが、多くの死傷者を出す原因となりました。

 二つ目は、昭和38年に起きた鶴見事故です。東海道線の鶴見・新子安間で、貨物線を走っていた貨物列車が脱線して旅客線をふさぎ、ここに当時東海道線の線路を走っていた横須賀線直通の上り電車と下り電車が衝突、死傷者約300人を出す大惨事となりました。時代は高度経済成長のまっただ中で、輸送量の急激な増加にともないダイヤが過密化していましたが、それにみあった安全対策が不十分だったことなどが、事故を大きくした原因と言われます。

 終戦直後の混乱期、そして高度成長期。それぞれの時代を象徴するような悲惨な鉄道事故が戦後の横浜で発生していたことも、記憶にとどめておかねばなりません。                      (岡田直)
[PR]

by tohatsu | 2009-02-20 09:49 | 展示案内  

ブログはスピード!


先週奈良国立博物館で《ミュージアムと市民サポート》
という研究協議会に参加してきました。
そこで、吹田市立博物館館長の小山修三氏より
ホームページとブログに関する
興味深いご意見をうかがいました。

小山氏はホームページについて
「嘘・冗談や誤字は少しでも許されない堅苦しい場」
と指摘しています。
それに対してブログは
「冗談を言ってもぜんぜん構わない。誤字なんて見つけたら
直せばいい」
 とのこと。
「ブログは何よりもスピードが勝負です」
とおっしゃっていました。
情報をすぐさまアップすることが重要であるとのこと。
「兵は拙速を尊ぶ」というところでしょうか。

実は私もアップしてから誤字を見つけてちょくちょく直して
いるのですが、これでよかったのだと妙なところで
納得しました。

また、ブログはあとで見返すと、展示なり館の活動なりの
立派な活動記録になっているとのこと。
そういう日誌的な部分もやはり重要なのですね。

ちなみに東京に春一番が吹いた日で、奈良もよいお天気。
12月に参加した小田原の研修の日も、おそろしく澄み切った晴天でした。
このまま晴れ男記録を継続していきたいと思います。
(吉)
[PR]

by tohatsu | 2009-02-19 14:24 | その他 | Trackback | Comments(0)  

Let's 列伝!

はい、こんにちは。
サッカー日本代表のオーストラリア戦、
すっかり録画予約したつもりで残業していた azul です・・・。

このところ、風邪で調子を落としていたので、
次の展示に向けていよいよフルスロットルでいかねばなりません!

今度の企画展は、前にもお知らせしたとおり、近代建築がテーマです。

題して、「開港150周年記念 横浜建築家列伝」!!!


横浜は、開港以来、いつの時代にも、
歴史に名を残す近代建築が登場しています。

たとえば、こんな建築とか・・・
e0164082_14521976.jpg





こんな建築とか・・・
e0164082_14535236.jpg







え?
バレバレすぎて隠してる意味がない?

最初の建物は、横浜市の指定文化財になっているアレですね。
そして、次は今も日本大通りに残っているアレですね。

そんなこんなの名建築を設計した建築家たちの人物像とともに、
横浜の近代建築史を、幕末から戦後までざっと振り返ってみよう!
そういう企画です。

準備のドタバタぶりはまたこのblogで!

開催は4月25日からです。
お楽しみに!

(azul)
[PR]

by tohatsu | 2009-02-13 15:22 | 展示案内 | Trackback | Comments(0)  

ご来館の前に立ち寄るといいことが

広報担当の(可)です。

ワタクシ、たまに自転車通勤をしています。

実際に自転車通勤するのはせいぜい週1回程度なのですが、どうも自転車乗りのイメージができあがってしまっているみたいです。

それは館の職員に限らず、たとえば観光案内所まで企画展チラシを徒歩で届けに行くと、案内所のお姉さんに「今日は自転車じゃないんですね」と言われたり…。
広報担当としては、地域に顔が売れるのはありがたいことですから、自転車も案外仕事に役立ってたりするわけです。

さて、観光案内所というと観光客には便利だけれども、地元民には縁が薄いところ…と思われがちですが!!

ただいま当館(横浜ユーラシア文化館の方です)の企画展「西アジアに迫る」の入館割引券付きチラシを置いていただいてます!!
もちろん他にもジモトのお得な情報が豊富なので上手に利用して横浜生活を楽しんでくださいね。

e0164082_20283312.jpg


e0164082_20313731.jpg

↑チラシ右上に割引券ついてます。
[PR]

by tohatsu | 2009-02-12 20:41 | 展示案内 | Trackback | Comments(0)  

ちょっと気になる他館のブログ


博物館でブログを立ち上げるという試みはまだ少数派のようです。
せっかくブログをつくっても、
更新が長く止まってしまったり、簡単な日誌に終わってしまっている
博物館も少なくないようです(当館もそうならないようにしないと……)。

そんななか、今日はちょっと気になる博物館のブログをご紹介します。

それは、山口県萩市の萩博物館のブログ。
「萩博ブログ」
ブログを通じて博物館の活発な活動のみならず、
萩の町の姿もよく伝わってきます。

たとえば、

「Kabuto-1グランプリ」。これは、世界中から萩博物館に集結したカブトムシ・クワガタムシから毎週6種類が登場し、「昆虫王」の座をめぐってバトルを繰り広げる壮絶なトーナメント。
……とか、

萩の町の節分の様子
など。

当館のブログ立ち上げのときにも、電話でいろいろお尋ねしたのですが、
ブログ設置によってリピーターが格段に増えたとおっしゃっていました。
当館がエキサイトブログを借りているのも、萩博物館さんが使っていて
実績があるから、ということも理由のひとつでした。

わたしも萩は3度訪れているのですが、
江戸期の古い建造物がかなり広い範囲で保存されていて、歩いて気持ちのよい町です。
萩市は「九州・山口の近代化産業遺跡群」として世界遺産登録を目指しているとのこと。
ブログには萩の町の写真も多く載せられているので、観光で行かれる方も必見です。

(吉)
[PR]

by tohatsu | 2009-02-10 17:10 | Trackback | Comments(0)  

兄弟

はい、こんにちは。
風邪が猛威をふるっていますね。私も昨日は一日家で寝ていました。
寝床の中で、風邪をネタに次のブログを書こうと企んでいたら、
あっけなく先を越されてしまっていた azul です。

病み上がりの今日は少し古いネタで。
昨年、京都に行ったときの話です。

e0164082_1753137.jpg

この建物、もとは京都中央電話局だった建物で、大正15年に建てられたものです。
写真のとおり、近年、新風館という商業施設として生まれ変わりました。
私たちの建物も、もともと横浜中央電話局。
なので、京都の新風館は、いわば私たちの兄弟みたいなものです。

どちらの建物にも共通しているのは、外観を覆っているタイル。

e0164082_17525994.jpg

新風館のアーチ窓の下の部分は、タイルの貼り方が場所によって少しずつ違っていて、
外壁の印象が単調にならないような工夫がされています。

私たちの建物(昭和4年竣工)も、外壁はチョコレート色のタイルで覆われていますが、
全面的にタイルを貼るのではなく、要所要所で平行な石の帯を挿入することで、
視覚的に外観をひきしめ、色彩の点からもアクセントを加えています。

どちらも一見、地味で平板な建物なのですが、じつは細部まで丁寧に設計されており、
意識的に装飾を抑えながらも、でも装飾的な要素を捨てきれない、
当時の建築家たちの感覚がうかがえて面白いところです。

さて、この新風館、建物を抜けて中庭に入るとガラッと雰囲気が変わります。

e0164082_17554944.jpg

もともとL字型だった建物に新しく増築して、ロの字型になっているのですが、
各フロアの廊下は中庭側にぐるっと巡らされていて、ここから各店舗に入るようになっています。
つまり、ここを訪れる人は必ず中庭を通ることになるわけです。
中庭は回廊のどの場所からも見下ろせて、さながらあらゆる視線が集まるステージといったところ。
中庭を行き来する人々は、賑わいを演出する演者とでも言えるでしょうか。

表通りの街並みは乱さず、一歩中に入ると開放的な空間が広がる。
「都市のなかの都市」を感じさせるこのコンバージョン(用途変更)の手法は、
都市型建築にふさわしいものだと思います。

私が訪れたのは平日のお昼時でしたが、多くの人で賑わっていました。
近くにお勤めの方にとっては、きっといいランチスポットなのでしょう。
元電話局の建物が賑わっているのを見ると、なんだか身内のように思えてきて、
勝手に幸せな気分になって帰ってきたのでした。

(azul)
[PR]

by tohatsu | 2009-02-05 18:05 | お出かけ | Trackback | Comments(0)