ウォース・シスターズ

現在横浜絵葉書データベースの第二次公開分の解説執筆に
とりかかっていて、資料と向き合う日々が続いています。
なかなかブログにいいネタがなく、ついつい日を過ごしてしまいましたが、
調査過程でわたしたち都発にとって少しだけ興味深いネタを発見しましたので、
ここでご報告します。


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この写真は当館の常設展示をご覧になったことがある方ならご存知、
ウォース姉妹です。
この写真の出典は『横浜グラフ』(当館蔵)でそのキャプションには

 【美しき混血の踊子姉妹】
  ―唄と踊のウオース・シスター来る―

 十三日午後横浜に入港した秩父丸で美しい二人のダンサーが来朝したが
 彼女達はウォース・姉妹といつて香港 上海を振り出しに各国を踊りと歌で巡遊の途中寄港したもので
 日本では新橋ダンスホールで招聘十六日から十日間
 同ホールでソシアルダンス及ステージダンスのエキジビジヨンを行ひ
 其後某大劇場へアトラクシヨンとして出演の契約もなつたが
 四号岸壁には新橋ホール及横浜メトロポリタンのダンサーが多数出迎へしたが
 メトロポリタンにも来演の予定でる(ママ)
 (写真秩父丸船上のウオース・シスター)9.6.13


とあります。

彼女たちは昭和9年6月13日に秩父丸で横浜へ来航、
横浜メトロポリタン(弁天通り1丁目に昭和4年に開場したダンス・ホール。
この時点ですでに「横浜で一番古株のホール」『大横浜』となっていました)
において出演することが
ここでは報じられていますが、彼女たちの横浜での活動に関するこれ以上の情報を
わたしたちはつかんでいませんでした。

ところが、絵葉書関係の調査で『横浜貿易新報』を見ていたところ、7月1日にこんな記事がありました。

 ホテル・ニユーグランドのキャバレー大評判
 十万円で新装の
 ルーフ・レストランけふ開業
 ワース姉妹の唄と踊りも好評

 日本の規則にないと云ふ理由で許可するとか、しないとか相当問題となりかゝつた、
 ホテル・ニユーグランドの『キヤバレー』も到頭本格になつて
 今ではミナト名物の第一にも算へられるやうになり、
 十万円を投じた新装のルーフ・レストラン』が出来上つて
 七月一日から開業することになつたのを機会に
 キヤバレーを屋上に移し夏のスペシアルアトラクシヨンとして
 既報の通りリリアン・ワース(二三)バージニア・ワース(二一)
 の姉妹の歌と踊を看板に南加気分をフンダンに盛つて
 外人は無論江戸ツ子浜ツ子をアツト言はせやうと云ふ計画


このワース姉妹は『横浜グラフ』のウォース姉妹と同一人物と思われます。
つまり、姉妹は新橋ダンスホールでの興行後、横浜に戻ってきてホテル・ニューグランド屋上の
キャバレーに出演したようなのです。

開催中の企画展でホテル・ニューグランドは屋上部分にモーガンがスペイン風の増築を
施した(昭和8年)ことで触れられています。しかし、そこにキャバレーがあり、ウォース姉妹がダンスを
踊ったことは担当のazulさんもご存知ないようでした。

新聞に報じられていることなので、さほどの大発見とは言えないのかもしれませんが、
この事実、ウォース姉妹に馴染み?を感じていたわたしたちにとっては、ちょっとした発見だったのです。

(吉)
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by tohatsu | 2009-06-30 11:07 | 調査余話 | Trackback | Comments(0)  

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