座談会(その3)人との出会い
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吉崎:展示をつくっていくなかで人との不思議な出会いがあったとか。
青木:西洋館の横に風車が建っている写真があるんです。
今、港の見える丘公園のフランス山に新しく作った風車があって、
そこの解説版にこの写真も載っている。
切り立った斜面地の上に洋館と風車があって、
地形的に山手だろうと今までは紹介されていたんですけど、
鈴木さんは山手じゃないとご自身のホームページでその謎解きをされていたんです。
鈴木さんのホームページを見た方が
「私の知り合いに風車が建っていたころのことを覚えている人がいる。
一緒に話を聞きに行きませんか」
というのです。
◆風車のある西洋館
鈴木:そうそう。
青木:その覚えているという人がなんと、
大倉精神文化研究所の設計者・長野宇平治の娘婿の
ヘンリー・フェルナンデスだったんです。
じゃあ話を聞きに行こうかというときに、
連絡されてきた方から長野宇平治の話を聞いて、
「えーっ」ということになって。
それで大倉精神文化研究所のほうにも連絡を取って
「じゃあ今ちょうど僕らも共同で調査をやってるから、
ぜひおたくにある資料を見せてください」という話になって。
鈴木さんとは風車の話を聞きに行って、
大倉の人とは長野の資料を見せてもらいに行って、
ちょうど同時期にそんなことをやっていたんですよね。
そのヘンリー・フェルナンデスさんは、
展覧会が始まってすぐの5月に亡くなられて、
残念ながらご案内をすることはできなかったんですけれどね。
不思議な縁です。
鈴木:不思議な縁ですね。
あの日話を聞きに行ったときに、
青木さんは先に大倉山のほうへ話を聞いて帰って来られて、
「鈴木さん、すごいものがあるよ」と言って興奮してました(笑)。
僕は長野宇平治なんて全然分かんないから(笑)。
僕のところに連絡をとってくれた人が、
気になってる家があるんだと言って。
息子が実はアメリカへ行ったので、なかなか帰ってこない。
もうおじいさんが88で、一人で住んでて気が気じゃないと言って。
それでそのおじいさんが風車の話をみんなにしてくれるって言うから、
話を聞きに行ったんですよね。
青木:一緒にそのフェルナンデス家に行って、
だけどもうお年寄りだから鈴木さんのホームページで示されてるのと
全然場所が違うところを
「ここだ、ここだ」
と言うんだけど。
「違うんじゃないですか」
と言っても、
頑なに
「いや、ここだ、ここに建ってたんだ」って(笑)。
鈴木:面白い人でしたね。
青木:それでフェルナンデス家とつながりができて。
長野家のご親族も結構展覧会を見にきてくださったみたいだし。
そのあと「僕のいとこがこんな写真を持ってる」とか、
また資料が出始めてきた。
その辺は追って紹介をしていく機会はできると思うんで。
吉崎:そうやって人のつながりがまた次の展覧会を生むというのは、いい循環ですよね。
青木:やっぱり、この間ブログにも書いたけど、展覧会を一本やると、
いろんな人とつながりができますよね。
海老名:ほんとに。
青木:それでまた新しい資料がでてきて、
次の展覧会につながったりだとか、
いろんな形でやっぱり出会いができるというのは面白いところですよね。
海老名:それがあるからやってける、みたいな(笑)この人のために頑張らなきゃみたいな。
青木:でも1回ぐらい大きいトラブルにも出あうんですけどね。
鈴木:今回はあったんですか。
青木:いや今回は出あわなかったですね、そういう意味ではね。
吉崎:他の意味では出会いがあったんですか。
青木:どういう意味?
吉崎:いやいや。
一同:(笑)
(まだまだつづく)
by tohatsu | 2009-10-30 09:40 | その他