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江東区のジェラール!

はい、こんにちは。
azul です。今日も暑いですね。
夏バテしてませんか?

突如ぶりかえしたジェラールネタ。
今日は東京でのお話です。

5月に終了した企画展「西洋館とフランス瓦」では、
ジェラール瓦に似せた模倣ジェラール瓦を紹介しました。
日本人の瓦師が制作したこの模倣瓦、
実は、本家ジェラール瓦以上に発見例が少なくて謎が多いのですが、
会期中、東京都内での新たな出土事例を教えていただきました。

教えてくださったのは、江東区文化財係の野本賢二さん。
平成8年に遺構確認調査がなされた江東区亀戸の浅間神社境内から、
模倣ジェラール瓦とおぼしき破片が出土していたんだそうです。
現地では、本家ジェラール瓦の破片も出土しており、
GWから開催される江東区の埋蔵文化財展で紹介されるとのこと!

さっそく坂上師範代と一緒に、中川船番所資料館で開催された、
展覧会「江東区にも遺跡はある!~江東区埋蔵文化財展」に行ってきました。
(すでに会期は終了しています)

ジェラール瓦をとりあえずポンと展示してある博物館はよくありますが、
たとえ小さな破片であっても、他の考古遺物と同様に、
きちんと出土場所を示して展示してある点は、さすが考古の展示。
こうした資料情報を丁寧に蓄積していくことで、
ジェラール瓦研究も、より生産・流通の実態に踏み込んだ段階へと、
レベルアップしていくのだと思います。

会期終了後、師範代といっしょに、
遺物をじっくりと観察させていただいたのですが、
破片だけとはいえ、これまで知られている模倣ジェラール瓦とは、
微妙に細部が異なるようです。
今後、より詳細に検討する必要がありますね。

野本さん、貴重な情報をありがとうございました。


さて・・・そろそろフランス話も再開しないと・・・

(azul)

by tohatsu | 2010-07-23 08:41 | お出かけ  

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