展示余話 鉄道雑学(その3)

 終了から1ヵ月が過ぎた「横浜ステーション物語」展ですが、展示ではほとんど触れなかった事柄を補足しておきます。それは鉄道事故についてです。横浜では戦後、二つの大きな鉄道事故がありました。

 一つ目は、昭和26年に桜木町駅で起きた電車の車両火災事故です。架線を修繕作業中に誤って断線させてしまい、そこに進入してきた電車のパンダグラフと架線がからまって火花が発生、先頭車両が全焼し、約200人の死傷者を出しました。この車両が戦時中に代用資材(木材など)を多用して設計されたものであったため延焼が早かったことや、当時の関東の国電には貫通幌がなく、隣の車両に移動できなかったことが、多くの死傷者を出す原因となりました。

 二つ目は、昭和38年に起きた鶴見事故です。東海道線の鶴見・新子安間で、貨物線を走っていた貨物列車が脱線して旅客線をふさぎ、ここに当時東海道線の線路を走っていた横須賀線直通の上り電車と下り電車が衝突、死傷者約300人を出す大惨事となりました。時代は高度経済成長のまっただ中で、輸送量の急激な増加にともないダイヤが過密化していましたが、それにみあった安全対策が不十分だったことなどが、事故を大きくした原因と言われます。

 終戦直後の混乱期、そして高度成長期。それぞれの時代を象徴するような悲惨な鉄道事故が戦後の横浜で発生していたことも、記憶にとどめておかねばなりません。                      (岡田直)

by tohatsu | 2009-02-20 09:49 | 展示案内  

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